Nippon Cinema
ニッポン・シネマ
2011年という困難な年の後、今なお日本の映画製作は回復期にあります。この業界が普通のマーケット状況に戻り、新たな成長を示すのは2016年以降になるだろうという声も聞かれます。それでも2012年には日本で554本の映画が製作されました。市民は映画をこよなく愛し続けています。日本の映画館の興行収益は変わらず世界一です。2012年度の収益高は約22億ドルで、これはドイツのほぼ2倍にあたります。目覚ましく追い上げてきている中国の収益高とほぼ同額です。危機の年のあと、日本では国内映画作品は目を見張る動員数を記録しています。2011年外国作品のシェアは45%でしたが、2012年には34%に下がりました。2012年ハリウッド映画の人気は1965年以来もっとも低くなりました。
本映画祭の「ニッポン・シネマ」は今の日本がどうなっているのかを映す部門です。しかし私たちは映画の選択はランキングなどに頼らずに行っています。文化の壁を超えたところで、私たちが最も重視しているのは映画体験の質です。日本の映画監督たちの熱い血潮、探究心を追体験したいと思っています。フランクフルトでぜひ最新の、日本の最もおもしろく、バラエティーに富んだ映画作品を楽しんでいただきたいと思います。皆様にもこの映画祭の作品の中でどれが最も傑出していたかを一緒に決めていただきたいと思います。フランクフルトのメッツラー銀行様の協賛により、プレミア上映作品すべての中からこの部門で最も人気のあった作品に対し、本年もまた賞金2000ユーロの「ニッポン・シネマ賞」を授与いたします。